限定承認の落とし穴〜相続税
みなさんこんにちは!
名古屋もまだまだ暑さが続きますので、みなさんも熱中症には十分、お気を付けください。
さて、本日は、前回と関連して、「限定承認の落とし穴〜相続税」についてお話していこうと思います。
まず、限定承認を行った場合でも、相続税がかかる場合があります。
そもそも相続税については、相続または遺贈によって取得した遺産の額が一定の基準額(基礎控除額)を超えた場合に、発生します。
この基礎控除額については、3000万円+法定相続人の人数×600万円で計算されます。
たとえば、相続人が3人いる場合は、3000万円+3×600万円で、基礎控除額は4800万円となり、課税対象の遺産額がこれを超えなければ、相続税は発生しません。
限定承認に話を戻しますと、限定承認であっても、プラスの遺産額(土地や建物、預金など)がマイナスの遺産額(借金や負債、準確定申告により発生した所得税等)を超え、かつ、基礎控除額も超える場合、相続税が発生します。
もっとも、限定承認を適用する場合、通常、負債が存在することが多く、基礎控除額を超えることはあまりないため、相続税がかかる場合は、それほど多くは在りません。
また、基礎控除額を超えた場合でも、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減控除等の各種の特例や控除を利用した結果、相続税の納税が不要になる場合もあります。
なお、限定承認によるみなし譲渡所得税については、相続債務として遺産から支出することになりますが、相続税の場合は、相続債務には当たりませんので、注意が必要です。
また、相続税の申告・納税は、相続を知ったときから10ヶ月以内ですので、迅速に手続きを行う必要があります。
このように、限定承認を行った場合、みなし譲渡所得税がかかる場合やそれに加えて相続税もかかる場合があるため、限定承認を行うかどうかの判断については慎重になった方が良いでしょう。
さて、次回は、今回に引き続き限定承認に関するものとして、「限定承認の落とし穴~任意売却」についてお話していこうと思います。
それではまた!