相続税~非上場株式の評価⑧類似業種比準方式
みなさんこんにちは!
名古屋もだいぶ涼しくなってきました。
季節の変わり目ですので、お体にはお気を付けください。
さて、今回は、前回に引き続き、「相続税~非上場株式の評価⑧類似業種比準方式」として、類似業種比準方式を使った非上場株式の評価について、具体例をもとに説明していきたいと思います。
【設例】
≪評価会社のデータ≫
業種:紳士服卸売業
企業規模区分:中会社の中(斟酌率0.6)
直前期末の資本金額:4000万円
直前期末の発行済み株式数:8万株
①1株当たりの資本金額:500円(株式額面金額500万円)
1株当たりの資本金額を50円とした場合の発行済み株式数(資本金額÷50円):80万株
②年間配当金額(総額):直前期400万円、前々期500万円、前々期の前記600万円
<1株当たり配当金額:450万円(直前2期平均)÷80万株=5.6円>
③利益金額(法人税課税所得金額):直前期8000万円、前々期7000万円
非経常的な利益損金額:なし、受取配当等の益金不算入額:なし
<1株当たり利益金額:{(8000万円+7000万円)÷2}÷80万株=93.75
円>
④純資産価額:8000万円(資本金4000万円、利益積立金2億円)
<1株当たり純資産価額:2億4000万円÷80万株=300円>
⑤類似業種のデータ
業種目:繊維・衣服等卸売業
株価:479円(課税時期の属する月の数値を採用)
1株当たり配当金額:5.2円
1株当たり利益金額:51円
1株当たり純資産価額:376円
具体的な計算式としては、以下のとおりです。
類似業種の株価(479円)×(((5.6円(評価会社の1株当たりの配当金額)÷5.2円(類似業種の1株当たりの配当金額))+(93.75(評価会社の1株当たりの利益金額)÷51円(類似業種の1株当たりの利益金額))+(300円(評価会社の1株当たりの純資産価額)÷376円(類似業種の1株当たりの純資産価額)))÷3×0.6(斟酌率)500円(1株当たりの資本金等の額)÷50円=3557円(類似業種比準価額)(端数切捨て)
このように、類似業種比準方式による評価を行います。
もっとも、実際の申告を行う場合は、各書類を読み解く必要があるため、評価にご不安な場合は、専門家にご相談ください。
さて、次回は、純資産価額方式による非上場の評価について、「相続税~非上場株式の評価⑨純資産価額方式」として、お話していこうと思います。
それではまた!