限定承認の落とし穴~相続人全員での手続き②
みなさんこんにちは!
本日は、前回に関連して、「限定承認の落とし穴~相続人全員での手続き②」についてお話していこうと思います。
前回の復習として、限定承認は、相続人全員で行う必要があり、一人でも限定承認に反対している相続人がいる場合、限定承認をすることはできません。
そのため、限定承認を行う場合は、事前に相続人間で協議し、3か月の期限内に、家庭裁判所に限定承認の申述を行う必要があります。
なお、限定承認の申述する先は、亡くなった方(被相続人)の最後の住所地となり、被相続人の最後の住所地が名古屋市なら、名古屋家庭裁判所に申述する必要があります。
このように、限定承認については、相続人全員で行う必要があります。
もっとも、例外的に、すでに相続放棄をしている相続人がいる場合は、相続放棄をした相続人以外の相続人全員で、限定承認を行うこともできます。
たとえば、相続人が被相続人の子3人の場合、子の一人が相続放棄をした場合は、残りの子2人だけで限定承認の手続きを行うことができます。
この場合、家庭裁判所には、限定承認に必要な書類に加えて、相続人の一人が相続放棄をしたことを示す書類として、相続放棄の申述受理通知書や相続放棄申述受理証明書の提出を求められる場合もあります。
また、さきほどの事例で、子が3人とも相続放棄をし、次の相続人が被相続人の兄弟姉妹となる場合、限定承認するためには、兄弟姉妹全員で限定承認の申述を行う必要があります。
この場合も、家庭裁判所には、子3人が相続放棄をした事を示す書類として、相続放棄の申述受理通知書や相続放棄申述受理証明書の提出を求められる場合もあります。
このように、限定承認を行う場合は、基本的に相続人全員の協力が不可欠であり、例外的に、相続放棄をした相続人がいる場合は、その相続人を除いて限定承認をすることができます。
限定承認については、3か月以内に、手続きを行う必要があり、3か月の期限を過ぎてしまうと、限定承認ができなくなる可能性もあるため、期限に間に合わなさそうな場合は、期限の伸長手続きを行うこともできます。
また、限定承認については、限定承認後の手続きも複雑となるため、限定承認をお考えの方は、一度、専門家にご相談されることをおすすめします。
さて、次回は、今回に引き続き、「限定承認の落とし穴~先買権」についてお話していこうと思います。
それではまた!