相続税~非上場株式の評価⑩純資産価額方式
みなさんこんにちは!
名古屋もかなり寒くなり、インフルエンザ、コロナ、風邪がかなり流行ってきています。
これらが同時にかかってしまうと、重症化するおそれもありますので、みなさんもお体には、お気を付けください。
さて、今回は、前回に引き続き、相続税における非上場株式の評価について「相続税~非上場株式の評価⑩純資産価額方式」に関して、事例も交えてお話していこうと思います。
まず、純資産価額としては、①総資産価額(相続税評価額によって計算した金額)から②負債の金額(相続税評価額によって計算した金額)と③評価差額に対する法人税額等に相当する金額を控除する方法により算出します。
たとえば、ある名古屋の会社について、
①相続税評価額によって計算された純資産価額が3億円、
②負債の金額が1億、
④帳簿価格によって計算された純資産価額が2億円、
⑤負債総額が1億円
の場合で考えてみます。
まず、③評価差額に対する法人税額等に相当する金額を算出します。
算出方法としては、①相続税評価額によって計算した総遺産価額から②負債の金額を控除した金額と、④帳簿価格によって計算した純資産価額から⑤負債の金額を控除した金額との差に37%を乗じて計算します。
【計算式:{(①-②)-(④-⑤)}×37%】
なお、帳簿価格によって計算した純資産価額から負債の金額を控除した金額の差がマイナスの場合は、0として評価します。
さきほどの具体例に当てはめると、
①-②は2億円、
④-⑤は1億円となるため、
2億円-1億円の1億円の37%である3700万円について、法人税額等に相当する金額となります。
そのため、純資産価額は
①-②-3700万円となり、1億6300万円となります。
また、発行済み株式総数が2万株の場合は、1株当たりの評価額は、1億6300万円を2万株で割った、8150円となります。
なお、議決権割合が50%以下の同族株主グループに属する株主が取得した株式の価額は、この金額の80%相当額となり、1株当たり6520円となります。
このように、純資産価額方式での非上場の株式の評価については、単純な計算式で計算することができますが、相続税評価額による純資産価額や負債を算出することに労力がかかるため、やはり非上場会社の株式の評価については、相続税に詳しい税理士にご依頼されることをおすすめします。
さて、次回は、相続税から離れ、遺留分に関して、「遺留分侵害額請求の計算式」と題してお話していこうと思います。
それではまた!