エンディングノートと遺言書の違い

遺言書の作成

みなさんこんにちは!

 

 コロナウイルス感染拡大について第3波が来ており,名古屋も含め全国各地で感染者が急増しております。


 また,これからの季節,インフルエンザも心配ですので,みなさんもお体にはご自愛ください。
 
 さて,本日は,よく質問を受けるものとして,「エンディングノートと遺言書の違い」についてご説明していこうと思います。

 

 まず,結論から申し上げますと,エンディングノートと遺言書は全くの別物で,たとえエンディングノートを書いたとしても,遺言書として認められない場合があります。

 

 そもそも,エンディングノートとは,自分の死後のことについて自由に書いておくものであり,形式や内容について制限はありません。 


 他方,遺言書は,厳格な法律上の要件が存在し,その要件を満たさなければ無効になる場合があります。


 そして,遺言書とエンディングノートの決定的な違いは,法律上の効力があるかどうかです。

 

 具体的に説明すると,エンディングノート自体には,遺言書のような法律上の効力はありません。


 そのため,たとえエンディングノートに「財産を長男に渡す」と書いたとしても,それが遺言書としての要件を満たしていなければ無効なものとなってしまいます。


 反対に,エンディングノートに書いた内容であっても,遺言書としての要件を満たしておれば有効になります。

 

 エンディングノートが遺言書として効力を有するための要件としては,遺産の分け方等について①財産目録以外の全文及び作成日付を自書し,②署名・押印している必要があります。

 

 なお,財産内容が漏れてしまっていた場合や,「遺産を託す」等の抽象的な文言が使われていた場合,遺言執行者が選任されていなかった場合は,相続開始後,相続人間で争いになる可能性がありますので,ご注意ください。

 

 このようにエンディングノートは,遺言書とは違うもので,「エンディングノートがあるから安心」と思わず,別途,遺言書を作成するか,エンディングノート自体が遺言書としての効力を持つようにする必要があります。

 

私自身の意見としては,エンディングノートとは別に遺言書を書くことをおすすめします。

 

さて,次回は今回に関係して,「遺言書作成キットで作成する遺言書の効力」についてお話していこうと思います。

 

それではまた!

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