公正証書遺言の作成までの流れ
みなさんこんにちは!
名古屋も2月28日で緊急事態宣言が解除されました。
もっとも、まだまだ全国的に感染者数が多いため、あまり気を緩まない状態が続いております。
当法人でも、引き続き、手先の消毒、定期的な換気等のコロナ対策を徹底しております。
さて、本日は、「公正証書遺言の作成までの流れ」について、ご紹介します。
まず、公正証書遺言書作成の一般な流れとしては、以下のようになります。
①遺言を作成される方(遺言者といいます)の戸籍謄本等の必要書類を集めます
②公証役場に遺言書を作成したい旨の相談をします
③公証役場に必要書類を提出し、公証人と遺言書の内容の打ち合わせを行います
④遺言書の案が決まりましたら、実際に遺言書を作る日を決めます
⑤実際に遺言書を作成します
なお、専門家に遺言書作成を依頼した場合は、必要書類の収集や公証人との遺言書案の調整等は、その専門家が行ってくれます。
以下では、それぞれの手続きについて、簡単にご説明します。
1 必要書類の収集
まず、公正証書遺言を作成する場合は、遺言者の戸籍謄本、印鑑登録証明書、遺産を渡す相続人の戸籍謄本、相続人以外に渡す場合は、その人の住民票が必要になります。
また、財産の内容次第では、土地や建物の登記事項証明書、通帳のコピー、株の残高証明書等が必要になります。
2 公証役場へ連絡
必要書類が集まりましたら、公証役場に連絡し、遺言書を作成したい旨を電話かメール等で伝えます。
実際に公証役場に行って、相談をすることが可能な場合もありますので、詳しくは、お近くの公証役場にお問い合わせください。
3 公証人との遺言書の内容の打ち合わせ
必要書類を公証役場に提出しましたら、どのような内容の遺言書にするのか公証人と打ち合わせを行います。
たとえば、長男に財産を渡したい場合は、その旨を公証人に伝えていただければ、公証人が法的文言に変えてくれます。
また、遺言書に残したいお気持ちの部分についても、公証人に伝えれば、記載してくれる場合もあります。
4 実際の遺言書作成日を決める
遺言書の案が決まりましたら、公証人と実際に遺言書を作る日を決めます。
当日は、実印と印鑑登録証明書と公証役場に支払う手数料が必要になります。
公証役場に支払う手数料は、事前に、公証人から連絡があります。
なお、公正証書遺言の場合、遺言書作成には、証人が2人必要です。
遺言者が証人2人を集めることができない場合、公証役場に相談していただければ、公証役場の方で証人の手配をしてくれます。
5 実際に遺言書を作成する
公証役場で遺言書を作成する場合の、作成日当日の具体的な流れとしては、まず、公証役場の受付で印鑑登録証明書と実印を提出します。
その後、印鑑登録証明書に押されている印鑑と実印が同じものであれば、受付での手続きは終了です。
次に、公証人のいる部屋に行き、そこで実際に遺言書を作成していきます。
まず、遺言書を作成する方が、公証人に対して、どういった内容の遺言書を作りたいかを伝えます。
その後、公証人が、事前に作っておいた遺言書の内容を読み上げます。
最後に、内容等に誤りがなければ、遺言者、証人、公証人が署名、押印し、遺言書が完成します。
完成した遺言書は、正本と謄本2通渡されますので、大切に保管しましょう。
このように、公正証書遺言の場合は、遺言書の作成に公証人が携わるため、手書きの遺言書のような失敗が少なく、安心です。
私自身も、自筆証書遺言よりも公正証書遺言の方が、遺言書自体が無効になるリスクが少ないため、おすすめしています。
なお、余談ですが、公証人はあくまで、法的に正しい内容の遺言書を作成しますので、税金や遺留分の事は、ほとんど考慮してくれません。
そのため、相続税等の税金や遺留分のことも含めた内容の遺言書を作成したい場合は、相続に強い専門家にご相談されることをおすすめします。
さて、次回は、遺言書を作成するうえで外せない話題として、「遺留分対策①~保険の活用」について、ご説明します。
それではまた!