財産の一部しか記載されていない遺言書

遺言書の作成

 みなさんこんにちは!

 

 名古屋もようやく緊急事態宣言が解除されました。
 また、予防接種を受ける方も多くなってきましたね。

 

 もっとも、まだまだコロナウイルスの感染が拡大していますので、注意が必要です。

 

 さて、本日は、よくある問題ある遺言書の一つとして、「財産の一部しか記載されていない遺言書」について、お話ししようと思います。

 

 まず、結論から申し上げますと、「財産の一部しか記載されていない遺言書」は、紛争のトラブルになる可能性が高いため、おすすめしません。


 そもそも、財産の一部しか記載されていない遺言書とは、たとえば「自宅のみ長男に相続させる」とだけ一部の財産の分け方のみ記載され、他の預貯金等の財産の分け方については、記載されていない遺言書のことを言います。

 

 この遺言書のように、財産の一部しか記載されていない遺言書だと、他の部分は、相続人全員で協議する必要があります。
 
 この遺言書の場合、他の相続人としては、「自宅は長男がもらうのだから、預貯金はこちらがもらう」といった主張になりやすく、長男としては、「預貯金も多少はもらいたい」という主張になりやすくなります。

 

 そうなってしまうと、相続人間で泥沼の紛争になり、裁判などをした結果、解決までに、3年以上かかる可能性もあります。

 

 このように、財産の一部しか記載されていない遺言書は、のちのちトラブルになる可能性が高いため、他の財産についても、分け方を決めておく方が良いでしょう。

 

 また、特定の相続人に財産を全て渡す際も、「自宅と預金と株を、長男へ相続させる」と記載するのではなく、「自宅と預貯金を含む一切の財産を長男に相続させる」と記載した方が、漏れがなくなります。

 

 そのため、私としては、遺言書を作成される際は、「その他一切の財産について、○○に相続させる」という文書を入れることをおすすめしております。
 こちらをお書きいただくことによって、少しでも相続人間のトラブルを減らすことが可能になるためです。

 

 専門家が携わって作成された遺言書でも、この部分が抜けていることがありますので、注意が必要です。

 

 万一、この部分が欠けている遺言書がありましたら、書き直していただいた方が良いかもしれません。

 

 さて、次回は、今回に引き続き問題になる遺言書として、「手を添えられて作成された遺言書(添え手で作成された遺言書)」について、お話ししようと思います。

 

 それではまた!

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