「争いを減らす自筆証書遺言の書き方」
皆さんこんにちは!
名古屋もようやく緊急事態宣言が解除されましたね!
また、ワクチン接種が広がったため、感染者数も減少しています。
もっとも、まだまだ感染のリスクがありますので、気を引き締めていきたいところです。
さて、本日は、「争いを減らす自筆証書遺言の書き方」について、話していこうと思います。
まず、自筆証書遺言を書くうえで大切なこととしては、①抽象的な文言を書かない、②遺言執行者を指定することです。
1 ①抽象的な文言を書かない
まず、「全財産を長男にまかせる」という文言だと、長男に全財産が渡らない可能性があります。
なぜなら、「まかせる」という文言だけでは、長男に全ての財産を相続させる意思なのか、または、管理だけを任せる意思なのか判然としないためです。
また、「自宅の土地を長男に相続させる」という文言だと、自宅の建物は誰が取得するか分からず、争いなる可能性があります。
このように、自筆証書遺言において、文言が抽象的な場合は、遺言書の解釈に争いがおこる可能性があるため、できる限り明確に書きましょう。
たとえば、相続人のうちの一人に相続させる場合は、「私の全財産を長男(名前と生年月日を記載)に相続させる」と「誰に
」「何を」「相続させる」というように記載します。
また、相続人以外に財産を渡す場合は、「私の全財産を従兄弟(名前と生年月日、住所を記載)に遺贈する」と「誰に」「何を」「遺贈する」というように記載します。
2 ②遺言執行者を指定する
遺言執行者が指定されていない遺言書だと、遺言書の内容がすぐには実現しない可能性があります。
たとえば、土地の名義を変える時に、相続人全員の署名、押印が必要になるケースもあります。
この場合、相続人のうちの一人が署名、押印を拒んだ場合、裁判所の手続きを行わなければならなくなる場合もあります。
そのため、遺言書には、遺言執行者を指定しておいた方が良いでしょう。
具体的な記載文言として、たとえば、当法人を遺言執行者として指定する場合だと、
「私は、この遺言書の遺言執行者として、弁護士法人心(愛知県名古屋市中村区椿町14-13 ウエストポイント7F)を指定する」
というように記載します。
以上のように、自筆証書遺言には、些細な文言の違いや遺言執行者の記載の有無で、争いになる場合があります。
そのため、遺言書作成にご不安な方は、一度、作成された文案を専門家に確認いただくことをオススメします。
さて、次回は、「遺言執行者の報酬」についてお話していこうと思います。
みなさんもお体にはお気を付けください!
それではまた