みなさんこんにちは!
蒸し暑い日が続きますが、名古屋でもコロナが流行ってきましたので、みなさんも、お体には、どうぞお気を付けくださいませ。
さて、本
・・・(続きはこちら) みなさんこんにちは!
蒸し暑い日が続きますが、名古屋でもコロナが流行ってきましたので、みなさんも、お体には、どうぞお気を付けくださいませ。
さて、本日は、前回に引き続きまして、「相続税~非上場株式の評価⑦類似業種比準方式」と題して、類似業種比準方式による株価算定について、お話していこうと思います。
前回の記事で、類似業種の調べ方をご説明しましたので、次に、類似業種の株価と比準要素の数値を調べます。
まずは、類似業種の株価については、国税庁が発表しているデータを確認することになります。
なお、令和6年度分の類似業種の株価は、以下の国税庁のホームページ(類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別価格等)をご参照ください。
国税庁:令和6年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)
また、株価については、基本的に以下の3つの株価のうち、最も低い金額を選択することになります。
①課税時期の属する月以前2年間の平均株価
②類似業種の前年平均株価
③課税時期の属する月以前3ヶ月間の類似業種の株価のうち最も低い株価
たとえば、課税時期が5月、類似業種が番号81の「織物・衣服・身の回り品小売業」の場合、
①は712円
②は738円
③は722円(3月763円、4月437円、5月722円のうち、最低価格)
となり、これらの最低価格である①712円の金額を株価として、採用することになります。
次に、評価する評価会社の比準3要素である「配当金額」「利益金額」「簿価純資産価額」のそれぞれの数値を確認します。
なお、類似業種における比準3要素である「配当金額」「利益金額」「簿価純資産価額」については、さきほどの類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別価格等に記載されています。
⑴ まずは、評価会社の発行済みの株式を求めます。
これは、実際の発行済み株式数ではなく、一律、以下の計算式で求めた金額を使います。
評価会社の発行済み株式数=直前期末における資本金額÷50円
たとえば、直前期末における資本金の金額が5000万円の場合、発行済み株式数は、100万株となります。
⑵ 次に、評価会社の1株あたりの配当金額を求めます。
計算式は、
直前期末以前2年間の配当金額の合計額×2分の1÷直前期末における発行済み株式数(さきほどの⑴で求めた株式数)となります。
なお、無配当の場合は、0円となり、特別配当などの特殊な配当がある場合は、その部分は除外されます。
⑶ 評価会社の1株あたりの利益金額を求めます。
計算式は、
直前期末以前1年間の利益金額÷直前期末における発行済み株式数(さきほどの⑴で求めた株式数)となります。
なお、直前期末以前1年間の利益金額については、法人税法上の課税所得金額を基本とし、非経常的な利益(固定資産たる不動産の売却など)や配当に係る所得税を控除し、益金に算入されなかった剰余金の配当(受取配当益金不算入金額)や損金の額に算入した繰越欠損金控除額を加算して求めます。
⑷ 評価会社の1株当たり純資産価額を求めます。
計算式は、
直前期末における資本金等の額及び利益積立金額の合計額÷直前期末における発行済み株式数(さきほどの⑴で求めた株式数)となります。
⑸ 比準要素の時期
評価会社の比準要素の時期としては、基本的には算出する期の直前期末となりますが、利益金額については、直前期末以前の2年間分の利益金額を合計して、それを2分の1にした数値を利用することも可能です。
⑹ 類似業種比準方式による評価とならない場合
評価会社の比準3要素のうち、配当金額は、無配であれば「0」となり、利益金額は、直前2期の課税所得が0円以下である場合などは、「0」になります。
また、純資産価額は、債務超過であれば「0」となります。
その結果、直前期末と前々期末の比準3要素のうち2つが「0」の会社(比準要素1の会社)、または、直前期末の比準3要素がすべて「0」の会社は、特定の評価会社となり、原則として類似業種比準価額は用いられず、純資産価額方式による評価となります。
⑺ 斟酌率の確認
評価会社と類似業種とは、当然、社会的な信用度や株式の売却の難易度等も変わってくるため、株価も当然、大きく異なります。
そこで、最後に、斟酌率をかけて、株価の調整を行います。
具体的には、比準要素によって比準されて算出された株価に、以下の斟酌率を掛けます。
大会社 0.7
中会社 0.6
小会社 0.5
⑻ 具体的な計算方法
これまで計算してきた金額をもとに、類似業種比準価額を求めます。
具体的には、
類似業種株価×{(評価会社の1株当たりの配当金額÷課税時期の属する年の類似業種の1株当たりの配当金額)+(評価会社の1株当たりの利益金額÷課税時期の属する年の類似業種の1株当たりの年利益金額)+(評価会社の1株当たりの純資産価額÷課税時期の属する年の類似業種の1株当たりの純資産価額)÷3}×斟酌率
となります。
なお、計算式の表としては、国税庁のホームページもご確認ください。
国税庁:類似業種比準価額
このように、類似業種比準価額の評価については、かなり複雑なものとなっておりますので、計算する際は、十分にご注意ください。
さて、次回は、今回、類似業種比準方式の計算式をお伝えしたため、具体的な事例をもとに、計算方法のおさらいをしたく、「相続税~非上場株式の評価⑧類似業種比準方式」として、お話ししようと思います。
それではまた!